2026年09月01日

放射線科専門医取得者各位
同  取得希望者各位

日本医学放射線学会 理事長 村上 卓道
同専門医制度委員会 委員長  楫 靖

 日本医学放射線学会(以下、本学会)は、日本専門医機構(以下、機構)の認定のもと、放射線科専門医制度を運用している。
このたび、本制度の理念を堅持するとともに、限られた研修資源を適切に活用する観点から、放射線科専門研修および放射線サブスペシャルティ専門研修のあり方について、下記の方針を決定したので報告する。

  1. 放射線科専門医制度の理念と現状の課題
     機構が認定する放射線科専門医制度整備基準において、放射線科専門医は、その後に「放射線診断専門医」または「放射線治療専門医」(以下、放射線サブスペ専門医)の取得を目指すための基本領域専門医として位置付けられている。
     近年、他の基本領域専門医資格を有する医師による、いわゆるダブルボード取得を目的とした放射線科専門研修への参加が増加している。放射線科専門研修を開始した専攻医に占めるダブルボード希望者の割合は、2021年度1.1%(3名)から2024年度3.5%(12名)、2026年度6.0%(19名)へと増加している。
     本学会はこれまで、適切な計画に沿った研修が行われる限りダブルボード取得希望を制限してこなかった。しかしながら、近年の実績を見ると、ダブルボード取得者は放射線サブスペシャルティ研修へ進まない割合が相対的に高い傾向が認められる。具体的には、2021年度および2022年度に放射線科専門研修を開始した専攻医のうち、放射線科専門医認定試験合格後に放射線サブスペシャルティ研修へ進んだ割合は、ダブルボード取得者で76.9%、放射線科専門医のみを取得する者でも86.5%であった。
     本学会としては、ダブルボード取得希望者に限らず、放射線科専門研修を修了するすべての医師に対し、放射線科専門医資格は放射線診断・放射線治療の専門研修の基盤となる資格であり、その後の放射線サブスペシャルティ専門研修を経て専門性を確立する制度であることへの理解を求めたい。
  2. 研修プログラム定員の適正な活用
     放射線科専門研修プログラムの定員、特にシーリング対象地域における研修枠は、将来の放射線診療を担う専門医を育成するための重要な医療資源である。
    放射線科専門研修を受ける者の中には、自らの専門診療科において放射線科の知識・技術を活用することを主目的とする場合もある。このこと自体を否定するものではないが、そのような研修ニーズについては、各医療機関における診療科間の連携や院内研修などによる対応も検討いただきたい。なお、日本IVR学会の救急IVR認定医など、放射線科専門医資格を必須要件としない専門資格も存在する。
     また、放射線サブスペ専門医資格を有さず、放射線科指導医による指導体制も十分でない環境において、主として他科診療を行いながら放射線診療に従事することは、放射線科専門医制度の理念との整合性の観点から慎重に考慮されるべきである。
  3. 今後の方針
     将来にわたり放射線科領域の専門医数を確保し、専門医制度の信頼性を維持するため、以下の方針を定める。
    • 機構認定放射線科専門研修を修了した者は、引き続き機構認定放射線サブスペシャルティ専門研修へ進むものとする。
    • 放射線科専門研修中に放射線サブスペシャルティ連動研修開始届を提出した者は、連動研修を継続することとする。
    • 本方針は、2027年度以降に放射線科専門研修を開始する専攻医に適用する。
    • ただし、出産、育児、介護、疾病その他やむを得ない事情により、直ちに放射線サブスペシャルティ専門研修を開始できない場合は、研修休止届を提出するものとする。
      また、既に機構認定放射線科専門医を取得しているものの、放射線サブスペシャルティ研修を行っていない者への対応については、今後検討を進める。

 本方針の趣旨をご理解いただき、次世代の放射線科医の育成と質の高い放射線医療の提供に向けて、引き続きご協力をお願い申し上げる。

以上