2016年12月20日

放射線医学の卒前教育に関係する方々へ

医学教育モデルコアカリキュラムの改訂に関するパブリックコメントが開始されています。
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000863&Mode=0
これに基づき医学生のカリキュラムが組まれ、彼らが学生時代に放射線科にどのように関わるかが決まる大変重要なものです。
放射線・画像関連に関しては下記にまとめました。 被ばくとリスク管理は加わりましたが、画像の適応や適正使用などの観点が少なく、通常の臨床現場との解離を感じます。 まだ、意見を言えば、特に、分量が変わらないような変更の場合は、変更可能と思いますので、ご意見のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 パブリックコメントの締切りが来年1月12日ですので、学会としてまとめて出すコメントは12月26日までに専用のエクセルフォームに従い、事務局までご返送ください。

理事長 本田 浩
担当理事 副理事長 青木茂樹

以下、関連箇所を抜粋します。(他にも臓器別に記載あり)
変更は、周囲の項目の記載とのバランスも考える必要があり、かつ基本的に全体の量は変えられないとご理解いただき、ご提案ください。

指針11 パージ( 変更点をまとめた部分)
指針案より抜粋:
*E-6 放射線の生体影響と放射線障害を追加し「医学・医療の分野に広く応用されている放射線や放射線医学の電磁波等の生体への作用や応用について理解する。」というねらいを示した。
旧版C-3-(3)生体と放射線・電磁波・超音波をE-6-1)生体と放射線に移動し、さらに、E-6-2)医療放射線と生体影響、E-6-3)リスクコミュニケーション、E-6-4)放射線災害医療の項目を立て、関係する学修目標を挙げた。
**********************************************************
指針案より抜粋(行頭の数字はそのページの行数をそのまま示した)
30 C-1-4) 電気と磁気
31 ねらい:
32 さまざまな電磁現象を学び、それらが一組の基礎方程式によって統一的に記述できることを学ぶ。
33
34 C-1-4)-(1) 電荷と電場
35 学修目標:
36 ①電荷保存則を説明できる。
37 ②Coulombの法則を説明できる。
38 ③近接作用と、電場の概念を説明できる
39 ④電場に関する Gausの法則を説明できる。
40 ⑤電場のする仕事と電位(静電ポテンシャル)の関係を説明できる。
41 ⑥静電誘導と誘電分極の違いを説明できる。
42 ⑦コンデンサーを概説できる。


44 C-1-4)-(2) 電流と磁場
45 学修目標:
46 ①Faraday の電磁誘導の法則を説明できる。

青木コメント:下記を入れたい
・磁界と磁束密度の違いを説明できる
・透磁率と磁化率の関係を(MKSA有理単位系において)説明できる


********************************************************
指針案より抜粋(行頭の数字はそのページの行数をそのまま示した)

E-6 放射線の生体影響と放射線障害
48 ねらい:
49 医学・医療の分野に広く応用されている放射線や放射線医学の電磁波等の生体への作用や応用について理解す
3 E-6-1) 生体と放射線
4 学修目標:
5 ①放射線と放射能の種類、性質、測定法と単位を説明できる。
6 ②放射線の人体(胎児を含む)への影響(急性影響と晩発影響)を説明できる。
7 ③種々の正常組織の放射線感受性の違いを説明できる。
8 ④放射線の遺伝子、細胞への作用と放射線による細胞死の機序、局所的・全身的障害を説明できる。
9
10 E-6-2) 医療放射線と生体影響
11 学修目標:
12 ①放射線診断による被ばく線量、急性影響と晩発影響を説明できる。
13 ②インターベンショナルラジオロジーでの被ばく線量と放射線皮膚障害等を説明できる。
14 ③放射線治療の生物学的原理を説明できる。
15 ④放射線治療による組織の急性影響と晩発影響を説明できる。
16 ⑤放射線防護と安全管理を説明できる。
17
18 E-6-3) リスクコミュニケーション
19 学修目標:
20 ①患者と家族が感じる放射線特有の精神的・社会的苦痛に対して十分に配慮できる。
21 ②リスク間の比較やトレードオフの視点から、放射線と健康との問題を総合的かつ定量的に捉えることができる。
22 ③患者の漠然とした不安を受け止め、不安を軽減するためにわかりやすい言葉で説明でき、対話ができる。
23
24 E-6-4) 放射線災害医療
25 学修目標:
26 ①内部被ばくの病態、症候、診断と治療を説明できる。
27 ②外部被ばくの病態、症候、診断と治療を説明できる。
28 ③内部被ばくと外部被ばくの線量評価について説明できる。
29 ④放射性物質による体表面汚染とその除染について説明できる。
30 ⑤放射線災害・原子力災害でのメンタルヘルスについて説明できる。
31

青木コメント:
この部分は、項目Eは“横断的に全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療”
で、中央部門としての放射線科(部)の役割も記載すべき場所ですので、被ばくに限らず、診断、治療の関連で学ぶべきことや、診断に関連して放射線被ばくを意識して検査適応を考慮するというような観点の追加が望まれます。また、MRI, 超音波がCの項目から移動して、なくなってしまった点も気になります。

 
42 F-2-4) 放射線等を用いる診断と治療
43 ねらい:
44 放射線等による診断と治療の基本を学ぶ。
45
46 学修目標:
47 ①エックス線撮影、コンピュータ断層撮影<CT>、核磁気共鳴画像法<MRI>と核医学検査の原理を説明できる。
48 ②エックス線撮影、コンピュータ断層撮影<CT>、核磁気共鳴画像法<MRI>と核医学検査の読影の基本を説明で
49 きる。
50 ③放射線治療の原理を説明し、主な放射線治療法を列挙できる。
51 ④放射線診断・治療による副作用と障害を説明できる。

1 ⑤インターベンショナルラジオロジー1 (画像誘導下治療)について概説できる。

青木コメント:
この部分はF-2-3の臨床検査を参照して細部を増やすことが望まれる。ただし、行数が増加すると認められなくなる可能性あり。

以上