2020年08月12日

専門研修プログラム統括責任者各位

「プログラム制による放射線科専門研修の修了要件」

専門医制度委員会

2018年4月から初めて日本専門医機構(以下、機構)認定放射線科領域専門研修を開始した専攻医が3年目の年を迎えました。専攻医の研修修了要件について、さまざまな問い合わせがありますので、現状を踏まえた内容としました。ただし、機構認定専門医制度は社会の視点を意識することが求められており、また機構自体の対応が発足当初と現在とでは変化している部分もあります。今後、機構からの指導があった場合には改めて連絡させていただきます。
この内容について統括責任者ご自身でご確認いただくとともに、貴プログラムの専攻医や指導医の先生方にもお伝えください。

1.研修ローテーションについて

1)専攻医は3年間の研修のうちで、以下の要件を満たした研修を行う。

  • 少なくとも6か月以上は基幹施設で研修する。
  • 少なくとも12か月以上は総合修練機関(例1:基幹施設12か月、例2:基幹施設6か月+連携施設のうち総合修練機関である施設で6か月)で研修する。
  • 基幹施設のみで研修を行うことは認められない。
  • 連携施設での研修について、同一の施設では少なくとも3か月以上研修を連続して実施する。
  • 特殊修練機関での研修は最長1年である。

2)常勤先(例えば基幹施設)を有する専攻医が、連携施設に週1日外勤で勤務したとしても、連携施設へのローテーションとは認めない。ただし、基幹施設と連携施設との話し合いで、連携施設で3か月研修する際の給与を基幹施設が負担する場合には、専攻医の(給与が支払われるという意味での)所属は基幹施設だが、研修は連携施設で実施するので連携施設へのローテーションとして記載してよい。

2.学術活動について

1)学術発表
・以下に定める学術集会で筆頭演者として1回以上の発表を行うこととする。
①日本医学放射線学会総会、同秋季臨床大会、日本放射線腫瘍学会学術大会での研究発表を特に推奨する。
②日本医学放射線学会地方会での研究発表
③日本医学放射線学会または日本放射線腫瘍学会の関連学術集会(別表分類3、分類4-2, 4-3)での研究発表

分類3 JRS関連学術集会 分類4 JASTRO学術集会・部会・セミナー
3-1 JRS(単独開催)
日本腹部放射線学会
日本骨軟部放射線研究会
日本心臓血管放射線研究会
断層映像研究会
3-2 JRS(日医放秋季臨床大会併催)
胸部放射線研究会
頭頸部放射線研究会
救急放射線研究会
電子情報研究会・日本医用画像人工知能研究会
4-1 JASTRO 学術集会
日本放射線腫瘍学会学術大会 → ①
4-2 JASTRO部会・セミナー(A)
日本放射線腫瘍学会放射線腫瘍学夏季セミナー
日本放射線腫瘍学会生物部会学術退会・制癌シンポジウム
日本放射線腫瘍学会小線源治療部会学術大会
日本放射線腫瘍学会高精度放射線外部照射部会学術大会
4-3 JASTRO部会・セミナー(B)
日本放射線腫瘍学会生物学セミナー
日本放射線腫瘍学会放射線治療・物理学セミナー
日本放射線腫瘍学会小児がん放射線治療セミナー

④日本医学会分科会(*)のうち、日本核医学会・日本IVR学会・日本磁気共鳴医学会・日本超音波医学会の年に1度の総会(あるいはそれに準ずる会)での研究発表、 ⑤日本医学会分科会所属学会における年に1度の総会(あるいはそれに準ずる会)での放射線医学に関連する研究発表も認める。
研究発表には、通常の学術研究以外にも症例報告(査読のある学術誌に受け入れられるレベル)は含むが、症例検討(film reading類似セッション)は含まない。
(* http://jams.med.or.jp/members-s/)
ただし、上記に準ずるレベルの発表で、メジャーな海外学会での研究発表、この基準の適応開始(2020年7月)以前に研修を開始した者の学術発表、COVID-19の影響で学会発表が困難な状況の場合には、発表内容や学会等により上記以外を認める場合もある。

2)論文発表
・以下に定める学術誌で1編以上の論文発表を行うこととする。
①Japanese Journal of Radiology誌の論文掲載を目標とするのが望ましい。
②放射線医学に関連した内容の原著や症例報告で、 査読のある学術誌(学会誌・質の高い商業誌・オープンアクセスジャーナルを含む)への掲載でもよい。
筆頭著者として研究に携わるのがよいが、専攻医が研究論文の作成に十分貢献した、と専門研修プログラム統括責任者が確認した場合には共同著者であっても要件を満たしたと認める。

3.受講すべき講習会について

1) 日医放必須講習「医療安全・放射線防護」(機構認定専門医共通講習を兼ねる)
  (2018/4開始の専攻医は、日医放必須講習「医療安全・放射線防護」と機構認定専門医共通講習「医療安全(テーマは問わない)」の2つの受講でもよい)
2) 機構認定専門医共通講習「倫理」
3) 機構認定専門医共通講習「感染」
4) 機構認定放射線領域講習 6単位以上

4.読影および治療経験について

1)読影として、X線単純撮影:400例, 消化管X線検査:60例, 超音波検査:120例, CT:600例, MRI:300例, 核医学検査:50例が求められている。
 なお、消化管X線検査に関しては、CTコロノグラフィ30例までは症例経験として認める。また、学会HPにあるe-learningシステムで実施症例の不足分を補ってもよい(使用症例数の制限は設けない)。
 超音波検査に関しては、学会HP上のe-learningシステムに120例以上の症例が整備されたため、消化管X線検査の研修と同様に実施症例の不足分を補ってもよい(使用症例数の制限は設けない)。
 これらの内容を、専攻医研修手帳に記録しておくこと。
2)読影した症例の中で100疾患・病態のうち90%以上を経験することが望ましい。(専攻医研修手帳参照)
3)治療としてIVR:30例, 放射線治療:30例
 各施設にある読影レポーティングシステムや、放射線治療管理システムから専攻医自らが経験した症例をCSV形式でエクスポートし、手帳にある必要な項目のみ症例記録として保存しておく。

5.専攻医研修手帳 2021年2月にリリース

学会HP会員専用ページに放射線科領域専攻医研修手帳(エクセル版)がアップロードしてある。この目次を見ていただくと、研修証明書、形成的評価票、総括的評価票と項目が分かれている。これらの中で、手帳の中にデータを記録せねばならないのは、形成的評価票の「(1)個別目標:達成度評価」、「(2)経験目標:経験症例記録」と、総括的評価票の「(3)学術業績・講習会受講実績・学会等参加記録」である。その他の書類は指導医、統括責任者などの署名や印を必要とするため紙運用となる。
 専門研修プログラム統括責任者、指導医、および専攻医は、内容をよく確認し、紙運用をしている部分を含め、専攻医研修手帳の内容を漏れなく記載しておくこと。学会会員用専用ページにアップロードしてある放射線科専門医研修カリキュラムガイドライン(2018年12月)を参照し、専攻医に求められる内容に沿った記載が必要となる。
 なお、2020年度4月に研修を開始した専攻医から、研修手帳の一部をオンライン入力する予定とアナウンスしているが、システム稼働開始が遅れているため、エクセル版の研修手帳に記録を残しておくことが望ましい。

6.年度末に研修プログラム管理委員会を開催

専門研修の3年目の年度末に開催する研修プログラム管理委員会で、専攻医を研修修了としてよいか審議すること。

7.COVID-19により専門研修に影響を受けた専攻医への対応 現在は対応なし

COVID-19のために、研修ローテーションや、経験症例の蓄積が予定通り進まない場合は、機構のシステム上で専攻医自身のマイページに「COVID-19 対応」と記載しておく。

以上